コミョン

韓定食

薬食

薬菓

韓国料理の基本精神は「医食同源」である。つまり毎日の食生活によって健康を保とうとする思想で、その陰陽五行説が加わり五味五色、調和のとれた料理を食の理想としている。その一例として料理の仕上げのコミョン(「つま」とでも訳せるか、料理の仕上に使う飾り)には赤(唐辛子)・黄(卵の黄身の薄焼き)・緑(ぎんなん・セリなど)・白(卵の白身の薄焼き)・黒(イワタケ・ノリ)を使う。この料理法が最も発達したのが華やかな宮廷料理で、山海の珍味を手のこんだ調理法で、しかも材料・調理法に重複のないものが20余種、卓上せまいと並ぶ。宮廷料理の流れをくむものが現在の「韓定食」である。医食同源の思想は宮廷料理のみならず全ての韓国料理に共通している。焼肉をチサの葉で包んで食べる方法(サンチュサムという)、焼きノリにゴマ油を塗る方法、蜂蜜をふんだんに使った菓子類、松の実・ゴマなどで作る粥…と実に豊富な栄養分をいかに美味しく体内に摂り入れるかに叡智が集められてきた。そのため、蜂蜜やゴマ油を使った料理には「薬」の字が冠せられることが多い。蜂蜜で甘く味つけした栗やナツメ入りのおこわが「薬食」(ヤクシク)、小麦粉をゴマ油で練って油で揚げ、それに蜂蜜をからめたパイが「薬菓」(ヤクカ)である。また麺類、粥などの味つけのためにゴマ油、しょうゆ、葱、ニンニクを混ぜ合わせた卓上調味料をヤクニョムという。食べる人の健康を念じながら調理したという意味である。